異色作に触れ

「不快、窮まる」
 随分と前に購入し、積んでいた本を読んだ。当然のようにクトゥルフ神話に連なる物語だったのだが、コレがまた“際物”のうえ“難物”。読み終わったときの不快さといったら、胸の辺りに決して拭え無い何かがこびり付いた様だった。

暗黒神ダゴン
フレッド チャペル 尾之上 浩司 / 東京創元社
出版社コメント/クトゥルー? ヨグ・ソトト? 意味不明の言葉が連なる古い手紙。屋根裏に鎖で固定された一対の手錠。片田舎の屋敷を相続した牧師リーランドを襲う悪夢と、妻への理由なき殺意。そして、魚類を思わせる異様な容貌の少女に出会ったとき、彼は魔界へと踏み込んでいく……。異端の詩人がラヴクラフトに捧げる、苦痛と狂気、恐怖と背徳の物語。

「不快の源」
 何がこんなにも不快感を胸に刷り込んでいくのか?延々と叙述される景観か?それとも、ただ堕落していく男の醜態からか?はたまた、タイトルや上のコメントからは想像だにしない物語がか?それだけではない。この本を読み終わったとき、正直、内容について全く理解できなかった。大概の本は、その中で著者が何を感じさせたいのか?漠然とでも分かる(と、思っている)。しかし、この『暗黒神ダゴン』では、巻末の解説とあとがきを読み、そこにある一つの解釈を得て初めて内容触れることができたという始末だった。そして、そこに至ったとき初めて著者の意図を識る。

 「私が何を書いているのか分かるかい?」

ええ、フレッド先生。全く分かりませんでしたとも。それでもバカなりに懸命に追いましたよ。結局チンプンカンプンでしたが。娯楽作品に慣れ親しんだ脳に、ロマン主義文学は理解できませんでした。そう、最も不快だった点、それは元より見当違いの作品を読んでいることに気付かず、不満を漏らしていた自らの無知さにだと思う。

「バカ、故に馬鹿」
 日頃から自分の無知は自覚しているつもりだったが、それ改めて突きつけられ不快に思ったと云うことは、まだ自覚し切れてないんだネ。こんなにバカなのにネ。 …あ、バカだからか!
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by cor_leonis | 2006-07-05 05:01 | 今日の宇宙的恐怖
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